品川区の対応状況

区議会では昨年来、毎回羽田関連の質問が出ています。品川区の立場は「羽田空港問題は国の責任で解決して欲しい」で一貫しており、現状「この問題にはできるだけ触れたくない」といった印象を受けます。一昨年くらいは区議会として国に意見書を出したり、品川区自民党が伊丹空港に視察に行ったりしていたのですが、昨年くらいからだんまりになってしまいました。共産党は去年、個別に伊丹調査へ行っているようです。

平成27年第4回、平成28年第1回議会での質問を紹介します。それ以前の質問に関しては品川区の区議会だよりを見てください。

 

平成27年第4回区議会定例会での一般質問

南恵子議員からの質問

ふたたび八潮団地の空に飛行機を飛ばすな。羽田新ルート案は撤回を

❶八潮で国交省主催の説明会が開催されたが、意見の大半は反対意見だったのでは。

❷新ルートの下にある学校や保育園、幼稚園、病院等について、(ア)いくつあるのか。(イ)施設等への影響は。

❸区民の不安等を受けとめて、新ルート案撤回を国に求めるべきでは。

 

都市環境部長の答弁 ❶経済効果が期待できるという意見や、騒音等が心配という意見等があった。

❷(ア)明確なルートが示されていないため正確な数はわからないが、おおむね大井地区が56件、八潮地区が14件、品川地区が31件だ。

(イ)航空機騒音防止法の騒音対策をとるべき区域の対象とはなっていない。

❸区民の不安払拭に向け、具体的な説明を実施するよう国に申し入れていく

(区議会だより254号より)

 

平成28年第1回区議会定例会での一般質問

あべ祐美子議員からの質問(抜粋)
①羽田空港の問題に関し、国交省や都と、どのような意見交換の場を持ってきたのか。
②第2フェーズの説明会で、区民の十分な理解が得られたと考えているのか。
③国交省は、飛行機からの落下物の危険性をどのように説明しているのか。
④落下物で被害が出た場合は国が補償するのか。
⑤区内への落下物や時間枠を超えた飛行が確認された場合などは、海上ルートに戻すようあらかじめ国交省と約束しては
 
都市環境部長の答弁
①都および関係区市連絡会等が開催されている。
②区民の不安の払拭に向け、より具体的な説明を国に求めていく。
③国として落下物のないよう航空会社等に適切な整備点検を指導しているとのことだ。
④国が調査を行い、航空会社が補償する。
⑤国から示されている新ルート案の枠組みが変更となる場合などは、しっかりと対応していく。
 
石田ちひろ議員からの質問(抜粋)
①人口密集地を低空で飛ぶ飛行ルートは、海外を含めてほかに例があるのか。
②新ルート案は区民生活にどんな影響を与えると考えるのか。
③新ルートは不動産取引時の重要事項説明に含まれているのか。
④国交省の第2フェーズの説明で、区民の不安が解消されたと思うのか。
 
都市環境部長の答弁
① ロンドンのヒースロー空港や福岡空港などの例がある。
②説明会等では、騒音や安全対策への不安や観光客の増加への期待などの意見があった。こうした影響の中で、国はメリットを多くし、デメリットを少なくするよう取り組むことが重要だと考えている。
③航空機騒音防止法は、不動産における重要事項説明の対象とはなっていない。
④環境に配慮した方策の説明が十分ではないため、具体的な説明の実施を国に申し入れていく。

区議会への請願状況

建設委員会に付託された平成27年請願 第3号は軽く不採択。

残りの請願は行財政改革特別委員会に付託。2016年5月1日現在全部継続審査中。

区議会としては採択するつもりはないが、不採択にして住民の反発を買いたくない、という状態。

 

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八潮の上空を再び飛行機が飛ぶ計画は中止を求める請願

平成27年請願 第3号

不採択

 

羽田空港の増便計画による品川・八潮上空の飛行中止を求める請願 

平成27年請願 第14号 

継続審査中


大型旅客機が品川区上空を飛行することに反対するよう求める請願 

平成27年請願 第15号 

継続審査


大気汚染と環境破壊を進める大型旅客機が品川区上空を飛行することに反対する請願
平成27年請願 第16号 

継続審査


羽田空港の増便により大型旅客機が品川区上空を飛行するルート案の撤回を求める請願
平成27年請願 第19号 

継続審査


羽田空港増便にともなう品川区上空への新飛行ルート設定に反対する請願
平成27年請願 第20号 

継続審査中

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